お疲れ様です。eximpです。
今日は『優秀な人が集まった組織ほど、実はガバナンスが取れていない』というテーマで仕事の悩みを持論展開していきます。
優秀な人材が集まる組織は、表面的には理想的な環境に見えることが多いです。
各メンバーが高い能力とモチベーションを持ち、問題解決や業務遂行に優れているため、組織は円滑に運営され、重要なポイントも確実に押さえられます。
このような状況では、ガバナンス即ち統制も風土も醸成されているように見えるでしょう。しかし、実際にはこの状況には大きなリスクが潜んでいると私は考えます。
目次
ガバナンスの表面化と実態
優秀な人材が集まることで、個々の能力が組織全体を支える力となり、仕組みがなくても業務が回るという現象が起こります。
彼らの高いスキルと経験により、問題が発生した際にも迅速かつ的確に対処できるため、外部から見ればガバナンスがしっかりと取れているように見えます。
しかし、実際にはこれは一種の錯覚に過ぎません。個々の能力に依存することで、組織全体の仕組みやプロセスが脆弱になっている可能性が高いのです。優秀な人材がいるからこそ、暗黙知による業務遂行が可能となり、明確な手順やルールが整備されないまま進行することが多々あります。
ハードの脆弱性
組織のハード面、すなわち仕組みやプロセスの部分がしっかりと整備されていない状態でも、優秀な人材がいる間は問題が表面化しにくいです。
しかし、これを放置していると、人材の入れ替えが発生した際に一気にその脆さが露呈する危険性があります。
たとえば、特定の業務が特定の人に依存している場合、その人が退職したり異動したりすると、残されたメンバーがその業務を引き継ぐのが難しくなります。
業務のノウハウや重要な情報が共有されていない場合、新しいメンバーが同じパフォーマンスを発揮するのは困難です。
これにより、業務の停滞や品質の低下が生じる可能性があります。
優秀な人材に頼りすぎるリスク
優秀な人材が多くいる組織は、その人たちの能力に頼りすぎることで、組織全体のバランスが崩れる危険性があります。
具体的には以下のような問題が考えられます。
過度な依存:
特定の人に依存することで、他のメンバーの成長が阻害される。
透明性の欠如:
個人の能力に頼ることで、業務プロセスが不透明になる。
リスク管理の不備:
業務が属人的になり、リスク管理が不十分になる。
これらの問題は、短期的には目立たないかもしれませんが、長期的には組織の持続可能性を脅かす要因となります。
上司の怠慢:
優秀な人材が集まる組織において、上司は管理する必要がほとんどなくなるため、自分の仕事に専念できるようになります。もちろん良い面もありますが、上司プレイヤーではなくマネージャーです。こういう場合、マネージメントを放棄し、プレイングに走ってしまう傾向があります。
マネージメントを放棄することは上司の怠慢以外の何者でもありません。
持続可能な組織のために
持続可能な組織を築くためには、優秀な人材の存在に依存するのではなく、しっかりとしたガバナンスと風土の形成が不可欠です。
これには以下のような対策が考えられます。
仕組み化、標準化:
業務プロセスや手順を文書化し、誰でも理解できる形にする。これにより、個々のメンバーが業務を行う際の基準が明確になり、属人的な業務の進行を防ぎます。
ナレッジの共有:
重要な情報やノウハウを共有するためのシステムや文化を構築する。例えば、社内Wikiやナレッジマネジメントシステムを導入し、個々人の頭の中の情報を可視化し、一元管理を行います。
継続的な教育とトレーニング:
メンバーが常に最新のスキルや知識を持てるようにする。定期的なトレーニングや勉強会を開催し、学習の機会を提供します。
リーダーシップの育成:
将来的なリーダー候補を育成し、組織の中核を担える人材を増やす。リーダーシップ研修やメンター制度を導入し、次世代のリーダーを育てます。
結論
優秀な人材が集まる組織は、その能力によって一見完璧に機能しているように見えますが、実際にはガバナンスが取れていないことが多いです。
このような状態を放置すると、メンバーの入れ替え時に大きな問題が発生する可能性があります。持続可能な組織を築くためには、しっかりとした仕組みを整備し、ガバナンスを強化することが重要です。組織の長期的な成功を確保するためには、優秀な人材の能力に依存せず、組織全体の仕組みとプロセスをしっかりと整備することが求められます。
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